【双子ヘルメット治療の現実】妻の不安を解消!父親が担った全役割と妻との約束

治療開始!未来への「小さな戦士」が誕生した日

病院で説明されたのは、半年という治療期間と、
「お風呂以外は常にヘルメットを装着」という厳しいルール。
そして、1か月ごとに病院に通うこと。もちろん、双子なので二人ともです。

説明を聞いたときに「常時ヘルメットは可哀そう」という気持ちがゼロではありませんでした。
でも、もう決めたこと。
「私たち家族で、この半年間を戦い抜こう」
そう妻と固く決意した日でした。

私たちは双子に似合うヘルメットのデザインとメーカーを選び、子供に装着。
小さな顔に被せられたその姿は、まるでSF映画の「小さな戦士」のよう。

しかし、改めて「これからこれを毎日23時間つけ続けるのか…」という現実の重さが、ズンとのしかかってきました。


最初の壁:嫌がりと寝不足の「魔の一週間」

治療開始直後、私たちが直面した最初の、そして最大の壁は、双子たちの「ヘルメット嫌がり」です。

ヘルメットを装着した途端のギャン泣き。
脱ぐしぐさを何度もして訴える二人に、妻は「かわいそうだけど…しかたない」と覚悟を決めていました。
私も「この決断は将来正しいはず」と自分を納得させました。

双子の場合、片方が泣くと連鎖してもう片方も泣き出すため、最初のころの日常はまさに戦場です。

なんとかおもちゃや本で気をそらし、少しずつヘルメットに慣らしていく日々。
イヤイヤされた時は、心が痛むのを感じながらも強引にかぶせることもありました。

初めてヘルメットを着けて寝させた際は、なかなか寝てくれず、子供と一緒に寝不足になった日々も。
今となっては、家族で乗り越えた大切な思い出です。

そして不思議なことに、1週間もすると装着も嫌がらなくなってきて、
赤ちゃんの慣れる力は本当にすごいと感心しました。


妻との約束:治療を可能にした父のコミットメント

治療開始を決断する際、妻から私へ、たった一言の問いかけがありました。

「半年間、ちゃんとあなたも参加してくれる?
私ひとりじゃ通院は難しいし、ヘルメットのメンテもやってよね」

まだ生後6ヶ月の双子を連れて、電車移動で1時間以上かけて病院へ通うのは、妻一人では体力的にも精神的にも限界がある。
妻の言葉は、私への期待と不安からくるものだと思いました。

私は迷わず、「出来るよ」と伝えました。

この言葉は、治療を成功させるための私自身の覚悟であり、妻を安心させる約束になったのです。


父の仕事:半年間続けた「双子ヘルメットの全作業」

この「妻との約束」を果たすため、治療期間中、私は父親として具体的な役割を担い続けました。

① 月に一度の「家族大移動」の責任

通院日には必ず有給を取得し、送迎を担当。
病院で次の診察日を決める際のやり取りは、毎回「有休取れる?」です。

そして、通院の度に、診察の待ち時間にはミルク、オムツ、本で機嫌取り。
午前中は病院にいて生活リズムが崩れるので、診察当日は妻と特別なスケジュールを組んで対応しました。

② 毎日の「ヘルメット清掃と装着」

妻が沐浴させている間に、私の役割があります。
ヘルメットの清掃です。

汗の匂いや汚れがすごいので、洗濯できるキャップを外し、ヘルメット本体をアルコールで消毒。
それを毎日二人分、欠かさずに続けました。

そして、沐浴が終わった子供たちを受け取り、体拭き → オムツ → 着替え → ヘルメット装着までを担当。
双子なので作業は毎日2倍。慣れるまでかなり大変でした。

③ 家族の理解を得るためのもう一つの戦い

治療を始めると、祖父母からは
「そんな治療は可哀そうではないか」という反応がありました。

孫への愛情からくる心配だと理解しつつも、私はこう伝えました。

「将来、この頭の形で子供たちが悩んだり、いじめられたりする可能性を排除したい」

そして、治療後の子供たちの明るい未来に対する親としての強い思いを説明しました。

最終的に両親は
「あなたたちが子供の将来を考えて決めたことなら好きにしなさい」と理解してくれました。

ただし、子供たちに会うたびに
「ヘルメット、可哀そうね。大変ね」と声をかけるのは、やめてほしかった。

この治療が「可哀そうなこと」ではなく、「未来への投資」であることを、他の人に理解してもらうことも、
父親である私の大切な役割だと感じていました。


喜びの瞬間と父としての実感

長いと感じた半年間でしたが、月に一度の診察で「改善」という目に見える効果を実感できるのは、
大きなモチベーションになりました。

先生からも「半年で綺麗な頭の形になりそうですね」と言われて、すごく嬉しかったです。

そして通院の帰り道。
診察の疲れとミルクでお腹が満足して、静かに眠る二人の小さな頭を、運転席からバックミラー越しに見と
その頭には、ヘルメットがしっかりと装着されていました。

その姿は、子供たちが全力で頑張っている「勲章」を、肌で感じさせてくれました。


【次回予告】

治療期間を乗り越え、ついにヘルメット治療の卒業を迎えます!

次回は、最も気になる
「ビフォー・アフター」の衝撃的な結果と、
私が感じた父親として治療に参加するときの精神的な考えをお伝えします。

—「夫の非協力に悩む妻」と「参加を迷う夫」の両方に向けて、参考になれば幸いです。

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