家庭の安寧は戦略でつくれる——出張帰りの父親の帰宅ルール

日々の出来事

「ありがとうも何もないの?」と言われた夜

3日間の出張を終え、夜22時過ぎに帰宅した時のことです。

仕事の緊張から解放され、ヘトヘトだった僕は、リビングでスマホを見ていた妻に「ただいま、まだ起きていたんだ」とだけ言い、すぐに着替えとお風呂に向かおうとしました。

でも、その時。妻がスマホから顔を上げ、口から出た言葉。

「ありがとうも何もないの? あなただけが疲れてるわけじゃないのよ」

正直、その瞬間は「自分だって仕事で疲れているのに、なんでそんなに怒ってるの」という思いが頭をよぎりました。そのときは、とりあえず「ありがとう」と言ってお風呂に入りました。

出張が終わり、のんびりとお風呂に入っているはずなのに、妻の言葉が忘れられませんでした。そして、気づいたんです。

僕にとっての3日間は「外での仕事」でしたが、2歳半の双子を一人で育児していた妻にとっての3日間は、**一息つく暇もない「仕事と家事の連続」**だったのだと。

「休憩のない一日」を想像できていなかった

一人で育児を担う時間は、常に緊張の連続です。共働きであっても、そうでなくても、パートナーの不在中に一人で家を守る側に「休憩」という概念はありません。特に多胎児育児ともなれば、一瞬の油断も許されません。

パートナーの心は、出張中、いつ切れてもおかしくない**「張り詰めた糸」**のような状態になっています。

そこへ帰宅した僕が、自分の疲れだけをアピールしてしまったら? 妻に「お疲れ様」と言ってほしいと無意識に思っていたら? その無神経な態度が、最後の一押しとなって妻の張り詰めた糸をプツリと切ってしまう。妻の言葉は、限界まで抑え込んだ不満の「一部」だったのだと思います。

出張を「円満」に終わらせるための戦略

それ以来、僕は出張帰りに「自分を労ってもらう」のをやめ、**「妻に感謝する」**ことに徹するようになりました。ただ、「ありがとう」と言うのは簡単ですが、それでは足りない気がして、いくつか言葉を足しています。

  • 「数字」で具体的に感謝する「ただいま」の後に、「3日間、子供たちをありがとう」と具体的な日数を添えます。自分が不在だった時間を、どれだけ重く受け止めているかを伝えるためです。
  • 連絡帳は「妻を労うための参考書」帰宅後、あるいは翌朝に必ず保育園の連絡帳を読みます。そこには、僕の知らない「育児」が記されています。「子供が保育園で喧嘩をした」「ご飯を全然食べなかった」など……。それを出張中も確認して、出張から帰宅した時に、**「今日の喧嘩の対応、本当に大変だったね。ありがとう」**と妻に具体的に伝えます。
  • 翌朝の「追いありがとう」を忘れないもし夜遅くて妻が寝ていたら、翌朝一番に感謝を伝えます。言いそびれは、相手にとっては「見ていない」のと同じだからです。

「仕事の成果」と「家庭の安寧」は両立できる

仕事として外で成果を出すことはもちろん大切です。でも、そのために家庭というチームがボロボロになっては、僕が目指している家族ではありません。

「仕事が忙しいから家庭が疎かになる」のではなく、「家庭が安定しているからこそ、次の出張でも100%のパフォーマンスが出せる」。

そう考えて、帰宅後の「妻と子供たちのケア」までを出張の工程表に組み込むことにしました。お土産は、妻がホッと一息つけるスイーツや、子供たちが喜ぶものを選びます。でも、一番のお土産は、張り詰めた妻の糸を緩める「お疲れ様」の一言なのかもしれません。

もし、子供たちが起きている時間なら、子供たちを抱っこすることも忘れません。そうすることで、子供たちもパパとのつながりが強くなり、将来、「ただ仕事に行っているだけの父親」と記憶されるより、断然いいと考えています。

最後に

出張中、自分だけが忙しいと思わず、家では妻が仕事と育児をこなし、自分の時間もなく動いている……と想像することが、深い感謝の気持ちにつながります。

「出張だから仕事で忙しいんだ」と思わず、家族のことも考えてみていただけるきっかけになれば幸いです。


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