※免責事項 この記事は、あくまで私個人の体験と感想を綴ったものです。通院のルールや環境は医療機関によって異なりますので、実際の通院については各病院の案内に従ってください。
1. 「驚き」から始まった、僕の不妊治療
不妊治療を考え始めたとき、男性にできることは何でしょうか?
正直に告白すると、僕はその時まで制度のことも費用のことも、何一つ知りませんでした。不妊治療が保険適用になったというニュースは知っていても、どこか「自分事」として捉えていなかった。それが僕のスタート地点でした。
しかし、35歳を過ぎた妻から相談を受けたあの瞬間、僕の心は決まりました。
「経済的な面は、すべて僕が柱になって支えよう」
そこから僕の「知る努力」が始まりました。右も左もわからない世界でしたが、一歩踏込でみると、男性が知っておくべき「向き合い方」が見えてきたのです。
2. 病院選びは「妻の選択」を信じる
我が家の場合、病院選びは妻がやっていました。女性たちのネットワークや評判をもとに、妻は必死に情報を集め、私たちの生活に負担なく、でも治療もしっかりした病院を選んで、僕に相談してくれました。
後から妻に教えてもらったのですが、不妊治療は、病院によって使う薬も、検査の詳細も、そしてトータルの費用も驚くほど異なるそうです。最初は料金を気にして病院を選んでいましたが、結果が出ず、「より評判のいい病院へ変えてみよう」と転院をした経験もあります。
正直、父親が「この病院がいい」と決めるのは難しい世界です。だからこそ、僕は次のことを大切にしました。
「妻が相談してくれたこと、そして納得して選んだ場所」を全力で信じる

3. 「高い・安い」を口出ししないという覚悟
治療費の通知を見るたび、つい「高いな……」という言葉が漏れそうになりました。でも、僕はあえてそこには口出ししないと決めていました。
不妊治療のお金は、単なる「出費」ではありません。それは、**「自分たちの将来をつくるための投資」**だと思ったからです。
身体的な負担を負い、悩み、勇気を持って僕に相談してくれた妻を前に、費用に対して「高い」「安い」という尺度で評価を下すのは、どこか違うと感じました。
経済的な柱として僕ができる最大の貢献は、**妻が一番納得できる治療を、お金の心配なく受けさせてあげること。**それが、僕たち夫婦の将来を一番に考えるということだと決心しました。
4. 診察室で感じた「一人じゃない」という安心感
これはあくまで僕個人の感想ですが、通った病院に「メンズ診察」があったことは、心理的に大きな助けになりました。
もちろん、そうした環境がない病院に通われている方も多いと思います。ただ、僕の場合は、待合室で自分と同じように向き合っている他の父親たちの姿を見ることで、**「頑張っているのは自分一人じゃない」**と、気持ちを前に向けることができました。
そんなふうに、自分なりの「心の拠り所」を見つけることも、治療を前向きに続ける上では大切なのかもしれません。
5. 不妊治療で夫が精神的にできるサポート
不妊治療は、身体的な負担だけでなく、精神的な揺れも大きいものです。だからこそ、夫として「どう寄り添うか」がとても大切だと感じました。
僕が意識していたのは、治療のたびに妻が抱える気持ちを、ひとりで背負わせないこと。そのために続けていた小さな習慣があります。
- ご褒美の準備: 病院に通った日は、お気に入りのケーキを買って帰る
- 二人の対話: ゆっくり座って、治療のことやこれからのことを話す時間をつくる
もちろん、いつも明るく話せるわけではありません。沈黙が続く日もあれば、涙がこぼれる日もありました。でも、そんな時間を積み重ねる中で、妻がふとこう言ってくれたのです。
「話すだけで、心が軽くなるんだよね。」
その言葉を聞いたとき、寄り添うって難しいことをすることじゃないんだと気づきました。**ただ隣にいて、同じ方向を見て、同じ気持ちを共有しようとすること。**それが、夫としてできる大切な精神的サポートなのだと思います。

最後に
不妊治療は男性にとっては未知の世界。最初は何も知らなくても、驚くことばかりで大丈夫です。
大切なのは、妻が相談してくれたとき、その声に耳を傾け、その選択を信じること。 そして、費用を単なる「数字」として見るのではなく、二人の未来への一歩として、どっしりと構えて支えてあげること。
その**「信じて支えるという覚悟」**こそが、不妊治療という道のりを共に歩むための、何よりの力になるのだと思います。