「肩が抜ける危険な抱っこ」妻が指摘した父親のNG行動と安心の抱っこ術


「子供の抱っこなんて、持ち上げられれば何でもいいだろう」
かつての僕は、本気でそう思っていました。

両手を握って「ばんざーい」の格好で持ち上げる。公園でも見かけるし、子供も嫌がらない。それが“普通”だと思っていたのです。
しかも、他の父親や周りの人も同じようにやっているのを見て、僕は「みんなやっているなら大丈夫だろう」と納得していました。

でもある日、妻が真剣な顔で言いました。
「その抱っこ、危ないからやめてくれない?」

正直、僕はキョトンとしました。
「え? 危ないって、何が?」

悪気ゼロ。危険性ゼロ。本気でそう思っていたのです。


1. 幼児は「肩が抜けやすい」― 妻が止めた理由

妻の言葉をきっかけに調べてみると、幼児期は関節が柔らかく、骨も未発達。腕を強く引っ張ると 「肘内障(ちゅうないしょう)」 という肘の亜脱臼が起こりやすいことを知りました。

肘内障は救急外来でもよく見られる幼児特有の怪我で、腕を引っ張ったり、肩や肘に負担をかける抱っこで起こりやすいそうです。

僕が「やりやすい」と思っていた抱っこは、実は子供の肩や肘に大きな負担をかけていたのです。
その事実を知ったとき、僕は心底「え、そんな危ないの?」と驚きました。


2. 父親が無自覚にやってしまう危険な抱っこ

父親がやりがちなNG抱っこは、大きく2つあります。

🆖 NG①:腕だけで持ち上げる「ばんざい抱っこ」

  • 両腕だけを持って持ち上げる方法。
  • 父親からすれば「やりやすい」ですが、子供の関節に全体重がかかり、肩や肘が抜ける危険があります。

🆖 NG②:時間優先の「力任せ抱っこ」

  • 保育園準備や外出先でぐずった時など、焦りから子供の都合を無視して力任せに持ち上げてしまう。
  • 父親の強い力で急に持ち上げられることは、子供にとって「恐怖」や「不安」につながります。

僕自身も「早くしないと!」と焦って、子供の顔も見ずに持ち上げてしまったことがありました。今思えば、その瞬間の子供の不安な顔を見逃していたのかもしれません。


3. 子供が安心できる抱っこの工夫3つ

危険な抱っこを避けるために、父親が意識したいポイントは次の3つです。

  1. 体を支える
  • お尻や背中、首(月齢による)をしっかりサポートし、腕だけで持ち上げない。
  1. 声をかける
  • 「抱っこするよ」と目を合わせてから持ち上げる。ワンクッションで安心感が生まれます。
  1. ゆっくり丁寧に動く
  • 急いでいる時こそ「ゆっくり」。親の焦りを伝えないことが、子供の不安を減らします。

父親がこうした工夫を意識するだけで、母親も「任せられる」と安心しやすくなります。


4. 父親が考える「夫に伝える時の言葉がけ」のヒント

父親は「無自覚」で危険な抱っこをしてしまうことがあります。だからこそ、母親が伝えるときの言葉選びが大切です。

僕自身、妻から言われて心に残ったのは次のような言葉でした。

  • 「ちゃんと抱っこしたら子供が安心してくれるから」
    → 危険性だけでなく、子供の安心につながることを教えてくれる言葉。
  • 「落ち着いたらいいよ」
    → 焦っている時ほど力任せになりがち。父親に「落ち着いて」と伝えることで行動を変えるきっかけになります。
  • 「ダメな抱っこを知っておくこと」
    → 禁止だけでなく「知識」として伝えることで、父親も納得しやすくなります。

父親は「危ないからやめて」だけでは反発してしまうこともあります。ですが、こうした前向きな言葉がけなら「なるほど」と受け止めやすい。母親が夫に伝えるときは、危険性+安心感+知識をセットで伝えると効果的だと思います。


まとめ

抱っこはただの「作業」ではなく、子供に安心感を届ける大切なコミュニケーション。父親が意識を変えるだけで、妻の不安は減り、子供の安心感は増していきます。

僕は妻の指摘のおかげでその事実に気づきました。もし「うちの夫もやってるかも」と思った母親がいたら、ぜひ安心抱っこの工夫を夫婦で一緒に試してみてください。

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